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ギターショップオーナー/花井 崇

もとジャーナリストのギター屋さん

「アップルギターズ」には初心者に適した楽器から年代物のギター、博物館クラスの楽器までが揃う。オーナーの花井さんは、かつては世界を駆け巡る新聞記者だった。環境問題に取り組み、ペンとカメラを手にロシアや北極圏に赴き、取材に明け暮れていたという。しかし2人目の子どもが産まれたのを機に、子育て中心の生活に切り替えようと神戸に居を構える。元来、大の音楽好きの花井さん。持ち前の研究熱心さと情報収集力を結集し、ギター専門店をはじめることにした。これが神戸・トアロードの「アップルギターズ」誕生の瞬間である。

はじまりはアメリカでの出会い

子どもの頃からロックやカントリー、ブルースなど様々なジャンルの音楽を夢中で聴いていた。特に好きなのはアコースティックギター1本で弾くスタイル。学生時代にバックパック一つでアメリカへ渡った際、旅先の本屋でギター誌を探したところ、専門誌の種類の多さに驚いたという。音楽ジャンル別に専門誌がある上にマンドリン誌、バンジョー誌、ウクレレ誌など楽器ごとの雑誌を見ることができた。街には「左利きギター専門店」まであり、種類と情報の多さに圧倒されてしまった。当時(1980年代)日本に入ってくる音楽情報はまだ少なく、誤りも多かったので「何とかして情報を得たい」と考えた花井さんは、帰国後ユニークな行動をとる。持ち帰ったアメリカの音楽専門誌や載っている広告のお店に「楽器や音楽に関する資料を何でも送って下さい」とお願いの手紙を送ったのだ。後日、いくつかの封筒が花井さんのもとに届く。送付されたパンフレットや資料に載っていた情報は、当時としては得難い宝の山だったという。
20年以上前そんな風に親切に返事をくれた人たちは、現在では音楽雑誌の編集長や大学教授、楽器ショップのオーナーなどになり、今でも交流は続いている。この人脈が、世界中ほとんどすべての楽器が入手可能という、マニア垂涎の品揃えの「アップルギターズ」を成り立たせているとも言える。

役割はギターを活かすこと

楽器に囲まれ、その状態を常に把握している花井さん。手入れ次第でギターは弾きやすくなり、音色も変化していくという。年代物のギターにはそれぞれに歴史もある。弾く人と相談しつつ、楽器本来の特徴をよく見ながら能力を引き出してやることが、花井さんの大切な任務だという。「いい音楽を奏でたくてギターは生まれてきたんです。だから、いい仕事をさせてあげたい」との一言が、とても印象的だった。

ギターショップオーナー/花井 崇さん
世界中ほとんどのギターが入手可能という、
もとジャーナリストのギターショップオーナー。

「アップルギターズ」
ホームページ:http://apple-guitars.com/


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